【読む地獄】BL小説「鬼畜」感想

どうも、玲威夜です。
お待たせしました。ついにあの有名BL小説、「鬼畜」の感想記事でございます。

前置きは省いて早速本題へ入ります。

『鬼畜』作:吉田 珠姫

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※本音が爆発&がっつりネタバレがありますので、ご注意ください。

とぅいったーや色んな記事で喚いていたので、未読の方は「そんなにすごいの?」と思っているでしょうが、個人的に「すごい」というより「きつい」でした。

みなさんも分かるかと思いますが、我々腐った者には性癖というものが存在するんですが、個々によってステータスが大きく異なります。そう、RPGと同じで性癖にも存在する。

僕は圧倒的に光よりも闇が好きなので(厨二並)暗い話は大好きなんですが、一口に「暗い」と言っても色んな要素があります。

今まで食べていた作品らは僕が大好きな要素がてんこ盛りであり、自分自身もその性癖に対しての特防が高いことから、いくら攻撃を受けようがノーダメージどころか大喜びしていたわけです。

しかし、それに対し「闇なら何でも食える」と勘違いし「俺を殺せるものなら殺してみろ」とイキり倒した童貞。そこで差し出された刺客作品がこの「鬼畜」です。

その結果、

33-4

ち~ん(笑)

本当に「俺の性癖知ってるの?」と言いたくなるぐらいピンポイントで弱点の要素をぶち込みまくった作品がこの「鬼畜」です。アンチ童貞ライフルやめろ。

そんな己の弱点要素が重点的に盛り込まれた作品に襲われた男が書く感想なので、なぜこの作品に対して「きつい」と思ったのかを自分の考察や性癖と見つめ合って書いていきます。そのため大部分が主観ですが、決して作品を否定するわけではありません。あくまでも「感想」として読んでください。

まずはストーリーです。

田舎の祖父母の元で育った文人は祖父母の死をきっかけに実家へ戻りますが、実の弟達也にストーカー並の愛をぶつけられ、以降それが続く地獄作品となります。

それでは、以下感想です。

1.とにかく達也の口調がきつい

読者に勧められ購入した童貞。わくわくしながら読み始めますが、開始2Pで悟ります。

やったわ

伊達に数々のBL作品を読んでいるわけではありません。たった2Pで自分の過ちに気付きました。

なぜかって?

達也「ふーちゃん!ふーちゃん!」

高校生の実弟がこの口調だから

確かに勧めてくれた読者も「口調が無邪気で不気味」と言っていましたが、まさにそんな感じ。もう俺はこの時点で「これ全部読めるかな」と真剣に考えるほどSAN値を持っていかれました。

これがとぅいったーでずっと嘆いていた一番大きな要因である「あかちゃん言葉」です。簡単に言えば「モブおじさん」口調です。

高校生の実弟が終始ひらがなセリフであり、実兄を「ふーちゃん」呼びは中々にクるものがある。まさか自分もここまできつさを感じるとは思っていなかった。おそるべし、鬼畜

しかし、ここで1つ疑問が浮かびます。

それは、自分が「モブおじさん」は全く問題ないのに「達也」では駄目だってことです。

色々考えたんですが、おそらく理由は「理解出来ないから」だと思いました。

モブおじさんの場合、大体は作者が「好きなキャラをぶち犯したい」という欲望を抱き「でも自分が登場するのは野暮だ」となり、結果的に自分を投影した「モブおじさん」になると思うんです。読み手側もそれを理解しているから特に気持ち悪いとも思わない(個人差あり)ちな俺はモブおじさんすき(語弊100%)

だって俺も好きなキャラぶち犯せるぞ~~!!となれば、愛でている最中にああいう「でちゅ」「まちゅ」言葉になると思うんですよ。エ〇ちゅみたいな。え?相手って?そりゃあお前、無論印

そういった無意識の解釈があるので、モブおじさんに対して嫌悪感を抱いたことはありませんが、達也はそれに該当しません。

そもそも「高校生の陽キャイケメン」の設定なのにこの口調。もう頭がバグりますよ。拒絶します。「なんだァ~こいつは!?俺のBLデータには何もないぞ」とエラーが出ます。

達也は「素」で言っているわけですから、僕としても「理解出来ない」んですよ。だから不気味。それが醍醐味っていうのはあるんですけどね。

後に分かるんですが、達也のこの口調はどうやら「意図的」に言っているみたいです。
この情報から「演技ならええわ・・・」と、何も解決していないのに自分のストレスを軽減しようと脳内変換するという本能行動に走る童貞。そのぐらいこの小説は「鬼畜」なんですよ分かるかお前ら。

個人的に「思考が幼稚園児で止まっている」という設定だったらもっとぶち殺されていましたが、それはなんとか回避出来ました。まあ、瀕死なのには変わりないんですが。

あ、でも終始不気味さを感じていた鬼畜で、唯一死ぬほど笑ったのは

達也「ビンビンおちんちん『達也号』ふーちゃんのケツマンコに向かって、出発進行―――っ!」

文人「やめろっ・・・・」

温度差草

そもそも実弟に犯されるシーンなので文人が正解なんだろうが、あまりにも達也のセリフがセンスの塊・・・・失礼、ぶっ飛んでいるので変なエラーが起きていますね。ほんまやめろ声に出して数秒笑ってたわ

それにしてもこのセリフセンスあるな・・・・使わせてもらおうかな・・・

2.母親がきつい

なんでBL作品の母親はロクな奴がいない?

このセリフ、多分2回目ですよ。

何度も言いますけど、BL作品の母親は大抵やべえ奴なんです。特にこういった攻めた内容のBL作品に登場する母親は駄目。身構えたほうがいい。

先ほども言いましたが、文人は長年離れていた実家へ戻ります。当然、実の母親と父親、実弟である達也と4人で暮らすことになるんですが、この母親と達也のWパンチで文人と読者はコテンパにされます。

母親を一言で言うと、典型的なヒステリック系の女性。その上、達也を溺愛しているため、何でも達也の味方で終始文人を責めるんですね。まあ、それはいいんです。発言もぶっ飛んだのが多いため「フィクション」として飲み込めるんで。

一番きつかったのは実の息子である文人の「アレルギー体質」を忘れており、アレルギーを示す食材を使った料理を作ったり、変なところでヒスるシーンですね。これが妙にリアルでちょっときつかったです。こんなところで攻めなくていいから。

このように達也に限らず母親がコテンパに殴ってきます。

やべえ奴しかいないのかこの作品は。

3.父親もヤバい

やべえ奴しかいないのかこの作品は。

実はヤバいのは達也だけではありません。実の父親も中々にぶっ飛んでいます。

しかし、その事実が分かるのは作品の後半であり、この狂気に読者も毒されていますので「ああ、なるほど」と受け入れてしまいます。受け入れるな流せ。

個人的にこの父親の話がどうも違和感があるというか「いきなりだな」と思ったんですけど、「父親がこうだから達也がああなったのかな?」という思考の仮ゴール地点にたどり着けます。いや、それはそうだとしておかしいだろ。なあ、聞いてんのか鬼畜さんよ。

おかしい。俺は騙されないぞ。

おかしいからなこれ。

4.個人的に苦手な要素

ここまでは、苦手の王道?というか、苦手な人が多いだろうなと思ったんですが、ここからは個人的に苦手だと思った要素を書いていきます。

①退場する性別が偏っている

実はこれ、僕結構苦手なんですよ。性別がどうだとか、そういう面倒な話じゃありません。もっと簡単な話です。

BLに限った話ではなく、男性向けも含まれるんですが「明らかに退場する性別に偏り」があると「作品の背後から作者の顔がチラ見え」するんですよ。僕が意識しているのか、そっちに脳内変換されちゃうのか分からないんですが・・・・どういうことか説明しますね。

今回の鬼畜の場合、フェードアウトするのは「母親」「文人の彼女」です。
双方フェードアウトの仕方は異なりますが、全て女性です。また、母親と祖母の関係が悪いことも強調されていました。

「喧嘩」や「絶望」に叩き落されたり、世間一般的に言う「スッキリ」の矛先が全て女性に向くことで、「そんなに作者は女性が嫌いなのか」と勝手に思っちゃうんですよね。なので、「背後から作者の顔がチラ見えする」と言ったんです。

逆も同じです。男性向け作品で男性キャラが上記のような扱いを受けると「男性作者の顔がチラ見え」します。

なので、このポジションへの性別の偏りをなくすか、いっそのこと登場人物が全て男or女だったら嬉しいなという童貞の主観100%の感想でした。

こういうひねくれた考え方をする奴もいたもんだ、と流してくれ。

②マインドコントロール

この小説を読んで気付きました。自分、この展開が弱点です。

僕がトラウマである某BLゲームの某ENDもまさにこれです。これこれえ!!!これが辛いんですよやっと気付いたありがとう鬼畜。感謝する。

BADENDのような重くて苦いENDは大好きなんですが、それはあくまで「本人が自発的にやった」内容であり「他者にコントロールされた結果」ではないんですよ。そうじゃないんです。歯向かってほしいんです。

自分の中に眠っていたヤバい化け物が暴れ出したり、冷徹な一面が露呈したり、どう足掻いても勝てない相手に歯向かい、殺されてもなお「俺の勝ちだ」と勝ち誇ったり。そういった人の奥底に眠る闘争心や攻撃的な姿に興奮するんですよ。

なので、誰かの独壇場になったりその上で踊らされる主人公ENDを見ても「マジすか・・・」となります。

しかし、先ほども言った通り、「鬼畜」を通してこの性癖、弱点に気付けただけでも大きな収穫です。感謝する。

とまあ、色々書いてきたんですが、冒頭でも言った通り決して作品を否定しているわけではなく、己の弱点がてんこ盛りのやべえ小説だったので、苦手要素と理由を述べた感想を綴ったわけです。

いやあ~~~~・・・・マジかァ~~~・・・・いやね、今まで触れたBL作品の中で一番きつかった。マジで。本当に読むのに膨大なエネルギー必要だった。つっても6割ほど読んだあたりから体が順応して割とするっと読めた。これもBLゲームでの鍛錬の成果だな!

確かに達也くんの口調はきつかったですが、ストーカーの異常行動や理解不能な言動で不気味さを味わえたのはとても良かったです。ストーリー単体で見ると結構好きでしたよ。

そう考えると「好きなストーリー」言い換えるなら「好きな土台」に「苦手な要素」をトッピングした結果、童貞特化型の作品が出来るのも面白いですね。

ということは、ストーリーという大きな枠組みよりも小さな要素の積み重ねのほうがダメージとしては大きいのだろうか。そういうことか?

逆を言えば、ストーリーが苦手でも好きな要素がてんこ盛りであれば好むって、コト・・・・!?

まったく、BLというジャンルは奥が深いですね。そう思いません?

ここまでで、この「鬼畜」という作品のヤバさはなんとなく伝わったと思うんですが、1割も触れていません。あ、もう一度言いましょうか?5分も触れていません。

このほかにも「ないないゴッコ」や「電車での見せびらかし」など、ヤバい要素が目白押しなんですが・・・・もうこれらに触れだすと日が暮れるので書きません。まあ、もう暮れてるってやかましいわ(0時30分過ぎ)

私をはじめ、数々の読者が悲鳴をあげたであろう「鬼畜」、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。ちなみに結構「ヤバい」と有名みたいです。当たり前だよなあ?

まあ、でもここの読者、ぶっ飛・・・・猛者が多いので多分読めます。現に読めている人たちだらけだったので、僕は戦慄しました。自分はまだまだ雑魚だったようです。イキってすみませんでした。童貞殺したいならこの作品を参考にすれば一発ですよ。当方はこれに懲りたので大人しくCAGEで遊びます。

あ、最後に1つ。この「鬼畜」というBL小説を読み終わっても分からなかったことを聞いてもいいですか?

達也は本当に文人が好きだったんですか?

それではみなさんまた

P・S 言っている意味が分からない?

読めば分かりますよ^^

BL小説,商業BL

Posted by 玲威夜